【宅建試験】要点整理!権利関係「制限行為能力者の能力」取り消し可否について

宅建資格取得の知恵

宅建試験合格のために、シンプルな解説を読んで要点を整理しましょう!

用語の定義

未成年

18歳未満の者をいいます。ただし、婚姻歴がある場合を除きます。

18歳以上は「成年」です。

「未成年」の保護者は、「親権者」または「未成年後見人」です。

成年被後見人(せいねんひこうけんにん)

精神上の障害により、事理を弁識する能力が欠く常況にあるため、本人等の請求により、家庭裁判所から後見開始の審査を受けたものです。

「成年被後見人」の保護者は、「成年後見人」です。

被保佐人(ひほさにん)

精神上の障害により、事理を弁識する能力が著しく不十分であるため、本人等の請求により、家庭裁判所から保佐開始の審査を受けたものです。

「被保佐人」の保護者は、「保佐人」です。

被補助人(ひほじょにん)

精神上の障害により、事理を弁識する能力が不十分であるため、本人等の請求により、家庭裁判所から補助開始の審査を受けたものです。

「被補助人」の保護者は、「補助人」です。

意思無能力者

幼児・泥酔者・精神上の障害により、事理を弁識する能力を欠く常況にあっても、後見開始の審判を受けていない者等。

制限行為能力者の能力 取り消し可否

未成年

原則

法定代理人(保護者)の同意を得ないで行った法律行為は取り消すことができます。

例外①

婚姻すると、成人に達したとみなされるため、未成年を理由に取り消すことができません

例外②

営業を許された未成年者は、その営業に関してのみ、成年者と同一の行為能力を有します。

●衣服販売の営業を許された未成年の場合

  • 「衣服販売の営業」=成年者として行為能力を有する
  • 「不動産の取引」=未成年のため、保護者の同意がなければ、取消し可能

まとめ

同意がある=取り消せない

同意がない=取り消せる

成年被後見人

原則

成年後見人の同意を得て行った法律行為も取り消すことができます。

例外

日用品の購入その他日常生活に関する行為は取り消すことができません

まとめ

同意がある=取り消せる

同意がない=取り消せる

被保佐人

原則

以下の特定の行為においてのみ、保佐人の同意を得ないでした法律行為は取り消すことができます。

特定の行為(例)
  • 預貯金の払い戻し、貸付け、貸金の返済の受領
  • 他人の借金などの保証をすること
  • 贈与の申込みを拒絶すること
  • 相続の承認、相続放棄、遺産分割
  • 不動産その他重要な財産の売買
  • 不動産の新築、増改築、大修繕をすること
  • 一定期間以上の賃貸借

例外①

日用品の購入その他日常生活に関する行為は取り消すことができません

例外②

特定の行為として定められている行為以外の法律行為は取り消すことができません。

(例)結婚、遺言書の作成 等

まとめ

同意がある=取り消せない

同意がない=取り消せる(特定の行為のみ)

被補助人

原則

以下の特定の行為においてのみ、保佐人の同意を得ないでした法律行為は取り消すことができます。

特定の行為
  • 家庭裁判所の裁判で、補助人の同意を要するとされた特定の行為

例外

家庭裁判所の裁判で、補助人の同意を要するとされた特定の行為以外の法律行為は取り消すことができません。

まとめ

同意がある=取り消せない

同意がない=取り消せる(特定の行為のみ)

意思無能力者

意思無能力者がした法律行為は、初めから無効です。

まとめ:取り消し可否一覧

未成年成年被後見人被保佐人被補助人意思無能力者
同意あり無効
同意なし無効
「同意あり」でも「取り消せる」のは、成年被後見人だけです。

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