【宅建試験】要点整理!権利関係「代理」自己契約・双方代理・利益相反行為の禁止、代理権の消滅、無権代理、表見代理について

宅建資格取得の知恵

宅建試験合格のために、シンプルな解説を読んで要点を整理しましょう!

自己契約・双方代理・利益相反行為の禁止

自己契約や双方代理は禁止されています。

これらに違反して行われた代理行為は、無権代理行為となり、契約の効果は本人に帰属しません

ただし、「無効」とはならず、本人が追認をすることで契約の効果を発生させることができます。

自己契約

本人(売主):A 代理人(買主):B

  • AがBを代理人とした
  • BがAの代理人として自らと売買契約を締結した

⇨Bによる自己契約にあたるため、契約の効果はAに帰属しない

例外

  • 本人があらかじめ許諾した場合
  • 債務の履行に関するもの

双方代理

本人(売主):A 相手方(買主):B 代理人:C

  • AがCを代理人とした
  • BもCを代理人とした
  • Cが双方の代理人として、ABの売買契約を締結した

⇨CがABの双方代理を行っているため、契約の効果はABいずれにも帰属しない

例外

  • 本人があらかじめ許諾した場合
  • 債務の履行に関するもの

利益相反行為

「代理人の利益になるが、本人が不利益になる行為」も無権代理行為として禁止されています。

例外

  • 本人があらかじめ許諾した場合

代理権の消滅

代理権は、次のような事由の場合に消滅します。

本人に関する事由

本人の死亡消滅
※代理を継続してもらえない
本人の破産任意代理消滅
法定代理:消滅しません
本人に何かしらのことがあっても、「本人破産」かつ「法定代理」の場合には代理権は消滅しません。

代理人に関する事由

代理人の死亡消滅
※代理を継続できなくなる
代理人の破産消滅
代理人が後見開始の
審判を受けた
消滅
代理人に何かしらのことがあった場合は、基本的に代理権は消滅します。

無権代理

無権代理とは、代理権の有していない事柄において、代理人としての行為を行うことです。

無権代理人と相手方の契約は、代理権が存在していないため、本人にその効果は帰属しません

相手方の保護

相手方が無権代理について次のいずれかに当てはまる場合、相手方は保護されません

  • 悪意(知っていた)
  • 善意・有過失(過失で知らなかった)
  • 無権代理人が制限行為能力者だった

ただし、相手方が「善意・有過失」の場合、無権代理人が自己に代理権がないことにつき悪意(知っていた)のとき、無権代理人は責任を追わなければなりません。

本人の追認

本人が無権代理行為を追認すると、契約成立時に遡ってその効力が生じ、確定的に有効となります。

追認の相手

追認は、「無権代理人」または「相手方」のどちらに行っても良いです。

追認の拒絶

本人は、追認を拒絶することもできます。拒絶すると、無権代理行為の効果は、本人と無関係になります。

相手方の権利

無権代理は、追認があるまで本人に効果が帰属しません。

そこで、相手方には次のような権利が与えられています。

(1)本人に対する追認の催告権

相手方は本人に対して、相当の期間を定めて催告できます。(追認するか否かを求めることができます。)

期限までに確答がないときは、追認を拒絶したものとみなされます。

(2)無権代理人または本人に対する取消権

善意の相手方は、無権代理人との契約を取り消すことができます。ただし、本人の追認があるまでの間に限ります。

(3)無権代理人に対する責任追求権

善意・無過失の相手方無権代理人に対して、契約の履行または損害賠償請求ができます。

まとめ:無権代理行為

悪意善意
(有過失)
善意
無過失
催告
取り消し
履行請求
損害賠償
取り消しができるのは善意の場合、履行・損害賠償請求ができるのは善意・無過失の場合です。

無権代理の相続

本人が無権代理人を相続

本人が無権代理人を相続した場合、無権代理行為の追認を拒絶することができます。

無権代理人が本人を相続

原則

無権代理人が本人を相続した場合、無権代理行為は有効となり、追認拒絶ができません

共同相続の場合

無権代理人がほかの相続人とともに本人を共同相続した場合、無権代理の行為の追認は、共同相続人の全員が一致してはじめて有効となります。

表見代理

表見代理とは、無権代理行為であっても、有効な代理行為が行われたと認めるものです。

「本人側に責任があること(本人に非難される事情があること)」かつ「相手方の保護事由があること(相手方に保護されるべき事由があること)」の両方が備わって、初めて成立します。

本人側の責任

いずれかが該当していれば、本人側に責任があるとみなされます。

(1)代理権授与表示

代理人が、代理権を与えられていないのに、与えられたかのような表示をした。

(2)権限外の行為

代理人が、授与された代理権の範囲を超えた行為をした。等

(3)代理権消滅後の代理

代理人が、代理権が消滅した後に代理行為をした。等

相手側の保護事由

相手方が、「善意・無過失」であること。

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