宅建試験合格のために、シンプルな解説を読んで要点を整理しましょう!
心裡留保
冗談や嘘のつもりで言うことです。
効果
相手方が善意・無過失の場合、契約は有効となります。
相手方が悪意または有過失(うっかり信じた)の場合、契約は無効となります。
第三者に転売したとき
心裡留保で無効となる場合でも、善意の第三者には対抗できません。
通謀虚偽表示
相手方と示し合わせて虚偽の意思表示をすることです。
効果
契約は無効です。
第三者に転売したとき
転売先の第三者が善意であれば、契約は有効となります。
第三者に過失があっても、登記がなされていなくても、善意の第三者は保護されます。
第三者がさらに転売したとき
転売において、善意の第三者が含まれた時点で、契約は有効となります。
例: A ー虚偽表示→ B ー転売→ C ーさらに転売→ D
- Cが善意であれば、Dが善意・悪意かを問わず、BC間の転売もCD間の転売も有効となる。
- Cが悪意でも、Dが善意であれば、CD間の転売は有効となる。
錯誤
勘違いで契約することです。
効果
錯誤が目的および取引上において、重要なものであるときに取り消すことができます。
契約の取り消しは、表意者本人・代理人・継承人が行うことができます。
相手方や第三者は、取消を主張することができません。
動機の錯誤
表意者の動機となる部分の錯誤です。(法律行為の基礎とした事情について、その認識が真実に反した場合等)
意思表示の取り消しは、動機の表示がされていたときに限り、行うことができます。(その事情が法律行為の基礎となっていることを表示していたとき等)
取り消し
原則、表意者に重過失がある場合は、取り消しを主張することができません。
ただし、次の場合は、表意者に重過失があっても取り消すことができます。
- 相手方が表意者に錯誤があることにつき悪意または重過失であったとき。(知っていたまたは重大な過失によって知らなかったとき)
- 相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき。
第三者に転売したとき
善意・無過失の第三者に対しては、取り消しを主張することができません。
第三者が善意でも有過失であれば、取消を主張することができます。
無効の主張
錯誤による意思表示を無効とできるのは、錯誤によって意思表示した表意者を保護するためです。
したがって、表意者がその錯誤を認めていないときは、相手方や第三者は取消を主張することはできません。
詐欺
騙されて契約することです。
効果
被害者は契約を取り消すことができます。被害者が取り消すと、契約は最初に遡って無効となります。
第三者に転売したとき
善意・無過失の第三者には対抗できません。
第三者による詐欺
第三者の詐欺によって、法律行為が行われた場合、相手方が善意・無過失のときは取り消すことはできません。
相手方が悪意または有過失なら取り消すことができます。
本人(売主):A 相手方(買主):B 詐欺師:C
- CがAを騙した
- Cの詐欺により、AはBと売買契約を締結した
⇨Bが善意・無過失なら、AB間の契約は有効になる。
第三者による詐欺があったときに転売したとき
転売において、善意・無過失が含まれた時点で、契約は有効となります。
本人(売主):A 相手方(買主):B 第三者(転売先):C 詐欺師:D
- DがAを騙した
- Dの詐欺により、AはBと売買契約を締結した
- BはCに転売した
⇨Cが善意・無過失なら、Bが善意・悪意かを問わず、BC間の契約は有効になる。(Cが取得する。)
⇨Bが善意・無過失なら、Cが善意・有過失でも、BC間の契約は有効になる。(Cが取得する。)
脅迫
脅されて契約することです。
効果
被害者は契約を取り消すことができます。被害者が取り消すと、契約は最初に遡って無効となります。
第三者に転売したとき
善意・無過失の第三者にも対抗できます。
第三者による脅迫
被害者は、常に契約を取り消すことができます。相手方・転売先等が善意・無過失であっても、被害者が保護されます。
まとめ:対抗可否
善意・無過失の第三者に対抗できるのは、「脅迫」のときだけです。
善意 (有過失) | 善意 無過失 | |
心裡留保 | ✕ 対抗できない | ✕ 対抗できない |
通謀虚偽 | ✕ 対抗できない | ✕ 対抗できない |
錯誤 | ◯ 対抗できる | ✕ 対抗できない |
詐欺 | ◯ 対抗できる | ✕ 対抗できない |
脅迫 | ◯ 対抗できる | ◯ 対抗できる |
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